三田市初の成人式サポーター
現在、赤穂郡上郡町の高校にお勤めの上谷さんですが、三田に帰省される日に合わせて取材をお願いいたしました。
在学中は、総合学科の福祉介護コースに籍を置かれました。印象に残っている先生は、3年間持ち上がりで担任をもってもらった松本武大(たけひろ)という若い体育の先生で、ホームルームで毎回「やればできる」「とにかくやってみよう」とか「元気よく大きな声を出そう」とい強く称え、非常に熱気にあふれた先生だったそうです。
高校3年の4月に三田市学生のまちづくりワークショップに興味をもち、三田市に問い合わせて、初の高校生として入会されました。また、神戸電鉄のクリスマスの時期の名物、サンタ×三田プロジェクトにも参加と
、いろいろな三田のイベント、行事に関わりご活躍をされました。
有高卒業後は、加西市の兵庫県立農業大学校に進学されました。大学在学中に三田市の成人式の在り方が気になったということで、まず実際にその会場に出向いてご自分で確認することから始めたそうです。その当時は成人式に真面目に出席する新成人よりは、会場内に入らずに会場の外で過ごしている人数が多いのが現状で、これをなんとかしたい、成人式は一生に一度きりなので自分の手で創りあげたいと思い、市の職員を掛け合って、人自分たち手作りのサポーターの創設を提案されました。「想いはカタチにできるということ、同じ世代の人に伝えたい気持ちが強くありました。」とにかく初の試みだったので、最初は市の職員からも難色を示され苦労しましたが、上谷さんの熱意に徐々に担当者も協力してもらうようになりました。近隣の市で開催されているサポーターが関わっている成人式を調査し、まずは大学の友人などに声をかけ、最終的に気心の知れた4人中心で何回も顔を合わせて話し合い、徐々に式典内容も完成していかれたそうです。
令和3年1月10日開催の成人式の内容につきましては、大きく5つの項目で新しい試みをされました。まず①式典パンフレットを一新し、裏表紙に「おかえり」の文字 ②シンガーソングライターのYukkaさんに三田の新成人に贈る歌「無我夢中」の依頼 ③舞台の大きな生け花を4時間かけて制作 ④式典後に利用できるよう「新成人お祝いMAP」の作成 ⑤全中学校の恩師15名からのビデオメッセージの撮影や編集など、どれも大好評で特に各中学校を訪問して撮影した恩師のビデオメッセージは、会場は笑いあり涙ありで、みんなの表情を見て作って良かったと感激されたそうです。いずれも非常に時間のかかる大変で細かな作業をされ、成人式の在り方に一石を投じる企画、運営をされました。出席人数も例年より多い734人という人数だったそうです。実はコロナの影響で、開催自体もするかどうか危ぶまれたそうですが、午前と午後の二部制にして人数を分散し席の間を空けたり、サポーターの挨拶も時間を短めにしたりして開催時間も配慮して無事に実現できたそうです。翌年からの成人式も、その年の新成人がサポーターとして企画運営する形は継続されており、上谷さんも会議にも参加されアドバイスをされています。
現在は上郡高校にお勤めですが、三田には定期的に帰られており、耕楽クラブにも所属されております。
取材をさせていただいて感じましたが、有高での経験(松本先生や福祉など)が大いに影響を与え、現在でも上谷さんの行動力、発信力などを形成しているんだなあと感じました。終始こちらまで元気をもらえる取材となりました。