在学中は山岳部に在籍、ご結婚後は曹洞宗寺族としてご活躍
三田市の三輪という場所は、JR三田駅からも近く市内の中心地なので車の交通量も比較的多いのですが、県道から少し入ったところにある曹洞宗天照山来迎寺さんは、閑静で落ち着いた雰囲気の場所にあります。御影石の石段を上り立派な山門をくぐると、綺麗に清掃された境内が目の前に広がりました。令和の改修で石垣なども綺麗に整備されており、久しぶりに心が洗われました。
昭和45年4月に家政科に入学され、担任は三年間高林先生だったそうです。高校時代の思い出は、なんと言ってもクラブ活動で、当時あった山岳部に在籍されていました。山登りはとても厳しく、普段はトレーニングを中心に身体を鍛え、いざ登山では北アルプスや、県内のいろいろな山を登られたそうです。
荷物も多くて20㎏以上の重いリュックを背負い、また厳しい冬山では宿泊するテントを吹雪の中苦労して張ったり、ある時は高山病にかかってしまい、OBの先輩に背負ってもらって下山されたりと、とにかく有高の三年間は、部活動に打ち込んだ学生時代だったそうです。(山岳部という大変厳しい部があったことは今回初めて知り、登山の大変さと楽しさを感じさせていただきました。)
有馬高校卒業後は、神戸女子短期大学に進まれ、その後は兵庫県警の交通課で3年間在籍され、その後、営業職員、生命保険会社の営業職に就かれました。保険会社では、しばらくして支部長を任され20人ほどの社員を取りまとめられました。そして、当時の三田に新しくできた社会奉仕を目的とした団体、三田広陵ライオンズクラブに知人の勧めで入会され、そこで同メンバーで来迎寺の藤井伸好さんとお知り合いになり、ご結婚をされました。寺族(住職の奥様)としては、それまでの経験を生かし曹洞宗兵庫県第一宗務所寺族会会長や、第三教区(三田市内に29ある曹洞宗寺院)寺族会の会長もされました。第三教区寺族会会長では、講師の方を迎えて人権学習などを開催され、御活躍されました。また地域住民の相談相手として、民生委員や現在は人権擁護推進委員として、地域ボランティアをされています。
現在は資格を取って、一般財団法人イトオテルミー親友会 療術師の資格をお持ちで、ご自宅で施術をされております。テルミー温熱療法は、身体にぬくもりと刺激を与えることで、自然治癒力を高まめる効果があるそうです。対外的に宣伝はされていないのですが、定期的に施術を受けに来られる方も多いそうです。時間の使い方も実に有効にされており、興味があることに打ち込んでいるのが、毎日を楽しく過ごす秘訣だそうです。
また、音楽もお好きで、いろいろな楽器も演奏されるのですが、ご自宅に大きなチェロが置いてありました。
20数年前に購入され、練習をお休みされた期間もありましたが、現在は楽しみながら、練習に励んでおられます。
現在お寺の方は、娘婿さんが住職になられ、令和4年秋に晋山結制法要(住職の交代式)が執り行われました。とにかくお寺は節目に大きな法要があり、近隣の御寺院様や御檀家様との連絡や調整があるので何かと大変ですが、嫁がれた頃には、とにかくお寺に慣れようと、お寺の住職さんの集まりなどにも積極的に参加されておられたのが印象的でした。写経会や中国の弦楽器二胡の演奏会等、数多くのイベントを企画して来られ、大いに寺院の興隆に関わられております。今回はこちらまで元気を与えていただく取材となりました。現在は娘さん夫婦とお孫さんに囲まれ、充実した毎日をお過ごしです。
(執筆 谷口 真弥)