今年創立100周年の兵庫県立西宮高等学校に髙繁校長先生を取材訪問しましたところ、有馬高校におられたころと少しも変わらないにこやかな笑顔で迎えてくださいました。
校訓「質実剛健」、書道界の巨匠上田桑鳩氏の扁額が講堂正面左に掲げられています。有馬高校にも同氏揮毫の校訓碑「まこと」がありご縁を感られたそうです。

県立高校で唯一の音楽科は、専用の音楽棟で多くの講師による個人レッスンを受講するそうで、恵まれた環境で過ごした卒業生は、国内はもとより海外でも活躍中です。また、オリンピック選手も輩出されていて、アテネ・北京・ロンドンと3大会連続しての出場は驚きです。文武両道を標榜しておられるのも、もっともなことだと感じました。
髙繁先生は、書道の担当として有馬高校に2年勤務、その後教頭として西宮南高校3年、有馬高校に戻られ1年、校長として猪名川高校3年、川西明峰高校2年、西宮高校で2年目となられます。

最初に有馬高校に赴任された時印象は、緑豊かな広い敷地、人と自然科・総合学科・定時制もある伝統校で、大きな学校だなぁと感じられたそうです。着任後すぐに、入学式の体育館に掲げる横一文字を書くのに大変緊張したことを思い出して話してくださいました。昨夏甲子園で活躍した金足農業高校の話となり、2年目総務部長だったときに初めて応援要請があり、吹奏楽部がそれに応えてアルプス席で友情演奏を繰り広げたこと、ご自身も当時の高瀬教頭先生と共にアルプス席で応援したのですが、そのときは残念ながら初戦敗退。農業つながりもあったでしょうが、当時の玉木教頭先生があちらの校長先生にご面識があったことも要請につながったのかしら、など興味深いお話を聞くことができました。教頭としては、耐震工事でテニスコートに仮設されたプレハブという環境の中で先生方が頑張っておられたことを今も思い出されるそうです。

甲子園球場の近くにご両親と同居されておられるそうで、これからも好きな書道を続けると共に健康第一に暮らしたいとおっしゃっておられました。

(執筆 羽渕和美)