下垣 嘉彦さん (有高12回)

柔道部を卒業した者は誰一人として知らない者がいない柔道愛好者で、高校3年間は柔道一直線、実力は誰もが認める存在でした。

卒業後は三菱電機ロジックスに就職、しかし毎日のように時間があれば学校に上がってきて、後輩に練習をつけてくれました。更に自分自身をも磨くため、町道場・警察・他校にも練習の場を求め、修行されていました。会社を退職される60歳頃まで、柔道着を着て後輩に胸を貸されている姿を見て、敬服いたしました。

今回は、自宅の近くの山林を開墾して「サクラ公園」を造られていると聞き、訪問しました。現役中から少しの時間を見つけては取り組んでこられ、退職後、本格的に取り掛かられました。

まず400平方メートル以上もある土地の大木・竹等を切り倒し、岩石等を移動・除去されました。そのあとに、サクラ博士で有名な佐野藤右衛門のサクラ「祇園しだれ桜」三世32本を中心に、椿・サザンカ等の花卉類や、キンカン・柿・リンゴ・モモ・サクランボ・スモモ等の果樹類が数多く植樹され、8割方できている状態ですが、これを全て自力でされたと聞き、驚嘆しました。

前を川が流れる高台に位置しており、景色もよく、春に来れば桜が咲き「絶景かな、絶景かな」と叫んでしまうのではないかと思います。更に、一番いい場所に東屋を建てる計画もあるそうで、お茶やお酒を飲みながら眺めるのも風流でしょうね。

ご自宅は築250年の旧家ですが、大きな屋敷と、周りに大きな堀のある庭が、綺麗に掃除され整理整頓されています。「誰がされるんですか」と聞くと「ワシがするンや」と聞かされビックリ。夏は5時、今は6時に仕事にかかっているとのこと、1.5ヘクタールの耕作と公園造り、そして母親の介護と忙しい毎日だそうです。

(文責:谷郷賢明)