s-DSCF0436

当たりまえのことを大切にして暮らしたい

「過去を振り返るな。前を向け。」有馬高校の思い出をお聞きすると、真っ先にこの言葉が返ってきました。三年間ずっと担任をしていただいた徳田先生の言葉だそうです。「高校一年になって成績が下がり、中学時代は成績がよかったのに」と先生に話したときに言われた言葉だそうです。「そうか!努力は続けていかなくてはいけないんだ、と目が覚めた思いでした。」今でもずっとその言葉は胸にあって、それからはいつも、「前を向いて生きよう」と思ってこられたようです。「でも同窓会で先生に会ってその話をしたら全然覚えておられなくって、そんなこと言ったっけ?と言われました。」とのこと。(ちなみに、徳田先生が先生になられた初めての生徒だそうです)
高校二年の時には、当時の兵庫県知事が「県下の高校生を募って、神戸の姉妹都市であるシアトルの大学にミニ留学を」という企画を知ったお母さまの勧めで、灘や関学、神戸高校の生徒たちと一緒に二週間、ワシントン大学に留学されました。他校の学生は英語が上手で、実千代さんは持ち前のチャレンジ精神で物怖じすることなく、「周りのみんながしゃべるのを真似していたら、知らず知らずのうちに英会話が身についてラッキーだったわ。」と言われます。
クラブ活動はバトミントン部。部長をされていたので、顧問の先生から「マラソン大会では50番以内に入る事」が命じられました。またまたプレッシャーを感じることなく、見事49位!!本人いわく「すれすれですよね。神様が味方してくれたのでしょうね。」その頃、当時では珍しいエレクトーンを習っていて、英語・バトミントン・エレクトーンと本当に充実した高校生活だったようです。
卒業後は関西外国語短大に進学、ここでも三か月のハワイ留学を経験し視野を広げられました。その後三菱電機に就職。大学や会社でも高校時代に学んだ経験がとても役に立ったと言われます。
現在はフラワータウンにお住まいで、趣味はコーラス、「しちようコール」に所属し、素敵な仲間と練習に励んでおられます。これからの夢は?とお聞きすると、「このままふつうの暮らしを続けていきたい」とのお返事。「なんでもないようなことが幸せだったと思う♪」という歌のように、あたりまえの生活を大切にしていきたいそうです。「今のふつうの生活を続けるために、ずっと努力をしなくちゃね」とも。まさしく、「過去を振り返らず、前を向いて」ですね。

s-DSCF0429



 

(執筆:中西尚美)