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平成15年度・新入生祝辞

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「平成15年度・新入生祝辞(全日制)」

   皆さん、入学おめでとうございます。 生気躍動する陽春のこの佳き日に、真新しい制服に身を包んだ皆さんの、はつらつとした姿を見ると、本校の輝かしい未来を象徴するようで、喜びにたえません。 まずは、ご入学のお祝いと、歓迎の意を述べさせていただきます。

  私は、同窓会会長の飯田周作と申します。 皆さんの先輩です。私は、有馬高校の前身であります三田農林学校の第43回卒業生です。 学校の名前も違いますし、ご覧の通り、歳もだいぶん違いますが、皆さんに対しては、後輩だと思うと非常に親しみを覚えます。

  さて、これからの高校生活を送るにあたって、同窓の先輩として、また、人生の先輩として、心構えを申し上げたいと思います。

  昨日、2003年4月7日は何の日だったか知っていますか?  手塚治虫の創造したキャラクター、鉄腕アトムが生まれた日です。 今はまだ、アトムのような人間型ロボットは発明されていませんが、やがて近い未来にはそういう時代が来るでしょう。

  鉄腕アトムの特徴は、10万馬力の原子力パワーと、やさしく正しい心です。 さて、この鉄腕アトムには、ある一つの教訓が含まれているような気がします。 もし、鉄腕アトムがもっている10万馬力の原子力パワーが、悪人の手に渡ってしまったら、世界は大変なことになります。 科学の力も、使い方を誤ってしまえば、大変な害悪を及ぼすことになってしまいます。

  鉄腕アトムの持つ"やさしく正しい心"、これが大切なのです。

  皆さんがこれから生きていく時代は、科学の時代です。 「科学の力をいかに正しく使うことが出来るか」、これが21世紀に生きる皆さんに与えられた使命であると言えます。 そのためには、自らの正しい心を鍛え、何が間違っているかを見極める判断力を養わなければなりません。 高校時代に学ぶ思考や知識は、自己の正しい心を鍛え、正しい判断力を養ってくれます。

  もうひとつ、申し上げたいことがあります。部活動の意義についてです。

  学生時代の私は、ひたすら陸上競技部の練習に熱中していました。 明けても暮れても練習の日々で、学生の本分である勉学よりもずっと力を入れていたように思います。 部活動によって得たものは、決して少なくはありません。 肉体と精神の限界を試すかのような鍛錬を通して、忍耐力が身に付きました。 そして、自分の思うような記録を出せた時の感動は、何物にも代えられない喜びでした。 それらは、社会に出てからの自信となり、随分、私を助けてくれました。 また、共に練習に励んだ仲間達との友情は、今なお健在です。 卒業して六十年経った今でさえ、会うと当時の思い出話に花を咲かせ、時間を忘れて語り合います。 学生時代に級友と語り合い、部活動の仲間と共に汗を流す経験をしないまま卒業していく人は、大切な何かを失っているのではないでしょうか。

  これから始まる高校生活の3年間は、意義ある3年間になるでしょう。 人生の基礎となる貴重な3年間です。 この3年間を無為に過ごすことのないよう、自分たちがしなければならないことをしっかりと自覚して、勉学に励んで下さい。 皆さんの先輩として、心から応援しています。 簡単ではありますが、お祝いの言葉といたします。

清陵会会長 飯田 周作
(農林43回生 昭和20年卒業)

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