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井上 喜寿さん(有高20回)

バラ栽培に取り組んで30年

今回は、1500坪の敷地にハウス9棟、年中45種類のバラが咲き乱れる井上ばら園の、井上喜寿さんを訪ねました。

井上さんは、お父さんが酪農をされていたので、将来は酪農経営をするべく、本校の農業科で学ばれました。 高校時代は2年時、後期の生徒会長、農業クラブでは全国大会に出て発表と活躍されました。

卒業後も酪農の勉強をされたのですが、ニュータウン建設で立ち退きを余儀なくされ、沢谷に土地を得られました。
当時24歳。広い原野に、ニュータウンの住民の方を相手に商売を、それも誰もが真似できないものでと言う事で、 友達がバラの栽培をしていたのを、全くの素人ながら真似ることから始められました。
最初の10年は失敗の繰り返しや、ハウス建設費の返済と、苦労ばかりでした。 次の10年で軌道に乗りはじめて、さらに規模拡張に力を注がれました。 そして、この10年は、新しい栽培方法・新しい品種と取り組むため、全国のグループに入って近畿ブロック長を勤められ、 「地球に優しい花作り」をスローガンに取り組まれています。

「何より嬉しいのは娘が一緒にやってくれることです」
と仰る井上さん。
気がつくと、お父さんと同じく本校を卒業された有美さん(有高45回卒)が、私達の側でせっせとバラを切って作業をされていました。
その有美さんは有馬高校卒業後、一度は花と関係のない専門学校に行かれたのですが、父の仕事を手伝いたいとのことから花の専門学校ヒビヤフラワーアカデミーで4年間学ばれ、 認定インストラクターを取得されました。
現在は、バラ園の敷地内で「ビーダーマイヤー」と言うローズショップを経営され、 1ヶ月に100人程のバラ愛好者の方々に、フラワーアレンジメントを指導されているそうです。
溶液栽培により一年中花が咲くため、ニュータウンを中心にバラ園まで多くの方々が買い求めに来られるそうです。

忙しいバラ栽培の中、地域の信望も厚く、農会長・区長そして本校の育友会役員と勤められ、 今は三田南部の農協総代をされています。
話を聞かせていただいている途中に奥様が3ヶ月の孫さんを連れてこられ、バラ園の中での微笑ましい一時でした。

(文責:谷郷賢明)

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