s-338 古東 佐一郎さん (有高15回) 北神生コンクリート協同組合 事務局長 清陵会理事、元育友会会長、有馬けやき会の結成を発起など、多くの役職でご活躍されている古東さんを、取材させていただきました。

昭和20年に大阪府池田市でお生まれになりましたが、太平洋戦争の戦局悪化のために宝塚市の長谷に移住されました。地元では、長谷自治会長などの役職を歴任され、大変ご活躍されております。 学生時代は農業科で、担任の飯野先生(後の第11代校長)から熱心に親身なって指導していただいたということでした。

牛、豚、鶏の世話をされたそうで、特に育雛(いくすう)当番という、上級生と4名の班ごとに学校に泊まって、鶏の雛の世話をしながら成長を見守っていくのが楽しい良い思い出だということです。また、通学は自転車通学で、自宅から1時間以上かけて雨の日も風の日も通われたそうです。

「両親には高校に行かせてもらっていたので、感謝しています。バスだと定期代がかかるので自転車にしました。これも親孝行の為ですね。昔の道は、整備もされてなくデコボコで轍(わだち)もあり、走りにくかったです。」とお話しいただきました。

卒業後は、川西郵便局で配達や内勤のお仕事をされ、昭和43年より宝塚市役所に勤務され、水道局営業サービス課を振り出しに、市民課、保険年金課、西谷支所、教育委員会学事課、新都市整備課などに勤務されました。そして、平成19年より、奥様が勤務されている北神生コンクリート協同組合の事務局長として、理事会の運営や議事録の作成、経理全般の業務をされております。

また、平成4年には有馬高校の育友会会長として、創立百周年記念事業である体育館新築、農園大温室建設、グラウンド側に望む斜面の整備の三点の要望を、畑中陽次校長と歴代校長の畑中芳夫教育長らと県教育委員会まで出向き、陳情をされました。「育友会長の時は、マスターズマラソンで先生や生徒の皆さんとうどんや、ぜんざいを作ったりして楽しかったです。お世話になった母校に、御恩返しができました。」と懐かしそうにお話しいただきました。

また、平成6年に、育成会員役員OB会「有馬けやき会」の結成を発起し、同年7月に設立され、百周年記念協賛事業では多くの会員の協賛金を募り、校庭に欅の記念植樹と記念石の設置をされました。

当時は、花博で良い欅の木が無く清陵会理事の方に頼んで、社町から木を持ってきてもらったそうです。 有馬高校に非常に関わりが深い古東さんですが、まるで語り部のように細かく丁寧に教えていただきました。

有馬高校の歴史を改めて認識させていただく貴重な取材となりました。ありがとうございました。

(執筆:谷口真弥)

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