s-278

大前 裕さん (有高20回)

道傍の豪邸に庭園、玄関に入ると目を見張る建物様式、早速に立派な応接間に案内されお話を聞きました。

本校では1組農業科、1・2年では今は亡き常深先生、3年では大前先生が担任でした。まずは、農業科を受けるまでのお話を聞き感じ入ったのですが、お父さんが農業をされておられたことから、長男であるから農業を継ぐと、小学5年の時から決めておられ、農業・畜産等の本を買われ将来を見据えた勉強をされ、学年が進むにつれさらに向上心が強くなり、農業大学へ向けて猛勉強されました。しかし、目標にされていた篠山の兵庫農科大学が運悪く廃校となり、先生方・両親・友達等と相談された結果、本校の農業科に入学されました。優秀な成績で入学されたことから、クラスの委員長、さらには入学して早々に実施される1年生集団訓練では代表として宣誓をされ、何事にもリーダー的な存在でした。1年生の後期には生徒会の副書記長をされ生徒会にも力を注がれ、また、畜産クラブでも活躍され夏休みは淡路方面の視察に行くなど忙しかったそうです。さらには、農業クラブの会長を二期務め農業クラブの発展にも尽くされました。また、3年生の時、友達と3人の将来を見据え農業育成資金の援助を得るために県庁へ行き、知事とも面会し、3人の将来の夢に感動され50万円の資金援助を得ることが出来たそうです。新聞社がそのニュースを聞き取材を受け新聞に大きく報じられたそうです。

卒業後は、その資金で、牛3頭を購入、さらに30頭まで増やされたのですが、21歳の時、父親の死もあり、従兄弟の鉄工所勤めを2年間され23歳で結婚、奥さんの父親が大工をされていたことから、建築士や建築業者の資格を取りさらには墨付けを習われ、25歳の時、大市住宅産業を立ち上げ代表となられ、その後は建築・土木・不動産と力を入れられ会社も順調に伸び、今は長男に譲り、建築一本でやられているそうです。本人は顧問となられ、「ぬくもりの湯」の取締役・田舎暮らしのアドバイザー「エステート大前」の代表等務められています。趣味として鯉を飼われ、うまい鯉の料理店があれば食味しに行き、時間を作っては、家の周囲に自らの手を施した庭造りをされています。現役から引退された今も不動産や建築について年に何回か頼ってこられる人があるそうです。立派な建物・すばらしい手を入れられた庭園を見学しながら後にしました。

(文責:谷郷 賢明)

s-P8060239s-P8060244s-P8060243s-P8060241