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東井(平川) 浴子さん (有高20回)

東光寺住職を訪問

私にとっては新任で着任したての新米教員時代の中学校での教え子、高校時代の恩師平川先生のお嬢さんと知り、特に親しげに「よっこ・よっこ」と呼び捨てにしていたのが懐かしく、今回お寺の住職をされていると知り、早速取材を依頼、快く承諾を得て訪問することになりました。

但東町方面は初めてのこと、取材を済ませた八鹿高校の西村さんに案内してもらい無事にお寺に到着、私達の訪問にも大歓迎を受け、本堂に案内されました。本堂から見える外界の田園風景に「絶景カナ・絶景カナ」。早速にお話を聞くことになりました。

本校の3年時は10組で三宅先生が担任、軟式テニス部で2年生まで頑張られたそうです。
卒業後、武庫川短大に進学、やはりテニス部で活躍されたそうです。その後、伊丹の有岡小学校に勤務、そこで知り合った彼と25歳の時に結婚、出産を控えて退職され、その後二男一女のお子さんに恵まれました。ご主人の八鹿小学校への転勤から住居を九鹿に移され7年間住まわれ、その後、ご主人の実家の但東町の東光寺に帰られました。

私が絶景カナと見入った田園風景も初めて来た「よっこさん」には牛や田圃で田舎に見えた様です。平成2年にご主人が体育の授業中に心臓病で倒れられ植物人間となり闘病生活を余儀なくされ、その翌年義父の住職が逝去され苦難の生活が始まりましたが、そこは、「よっこさん」の頑張り屋さん、お寺を守り、子育てをし、時にはスナックのママとして大変な苦労もあっただろうと思えるが、会ってお話する中には微塵にもそんな様子が伺えませんでした。今は三人のお子さんも立派に成人し、結婚され孫さんも3人とのことです。

15年間の闘病生活をされていたご主人が平成16年60歳にてこの世を去られ「よっこさん」の悲しみもこの上ないものだったかと思いますが、苦しみや悲しみにも負けず、檀家9件の東光寺の住職として、さらには35年ぶりに近くの小学校の先生として頑張られています。

中学時代と変わらぬ元気な姿、そしてこの景色のいい田舎に住めることを誇らしげに話す彼女を後にしました。

 (執筆:谷郷賢明)

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