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田中孝[竹号:戒山]さん(有高13回)

尺八歴50年、大師範の免許皆伝

理事・伴野忠生さんから同級生に尺八の名人がおられると聞き、2人連れ立って事務局へ足を運んでいただき、お話をうかがいました。

卒業以来、初めて学校に来ましたとのことで、平屋の木造作りから鉄骨4階建てに変わった校舎や、新しい体育館・格技場等々に目を丸くされていました。「特に、満々堤の周りで綺麗に咲いた桜が、懐かしく思い出されますね」とのことでした。

尺八の道へ入られたのは、高校2年の文化祭で、今は亡き大西先生の尺八の演奏を聴いたことが、きっかけでした。その演奏に聴き入り、これぞ私がやるべきことだと体中の血が騒いだのだそうです。すぐに教えを請われ、放課後や日曜祭日の休みの日に、長尾から自転車で50分ほどかけて、先生のご自宅に通って、教えを受けました。めきめきと上達され、在学中に早くも中伝となり、「彬玲」の竹号を付けていただいて、大阪毎日ホールで演奏したことが良い思い出だそうです。

卒業後は大阪府警に就職されましたが、更に尺八の魅力に取り付かれ、忙しい勤務の合間をぬって、大西先生から紹介された師匠の下で「都山流」を学ばれました。奥伝、皆伝、指南、準師範、師範、大師範と上り詰められ、現在の竹号は「戒山」とされています。又、指南から弟子が持てることから、お弟子さんも1人2人と増え、これまで50人以上の方々を指導されてきたそうです。

演奏活動でも、万博公園梅まつりの催しに10年間参加されたり、各方面からの演奏依頼で、日本各地を回り、外国からの要請でニュージーランド、フランス等にも行かれたこともあるそうです。特に外国では、琴と尺八の合同演奏に関心が寄せられ、拍手喝采を浴びました。

 今は府警を退職され、昨年、大阪から住み慣れた長尾町宅原に引っ越してこられました。26歳の時に結婚された奥さんと2人で、野菜作りをしたり、本を読んだり、犬の散歩をしたりとのんびりやっていますとのこと。又、お孫さんが5人おられて時々会うのも楽しみとのことでした。

(文責:谷郷賢明)

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