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田良原 紀江さん (高女17回)

行政相談委員を37年、民生児童委員を15年務められた田良原さんに、西宮市甲子園から事務局に足を運んで頂きました。素晴らしい校舎・体育館・清陵会館など、昔の面影のない母校に驚きのご様子、お友達の前田様と共に、お話を聞かせて頂きました。

昭和16年4月に入学、はじめての英語の勉強に興味を持ち、大文字・小文字を覚えた頃の12月8日に大東亜戦争が勃発しました。英語の授業は当然なくなってしまい、それからは勤労奉仕の日々となりました。講堂での旋盤による作業、川西航空での奉仕作業など、今も脳裏にはっきり残っているそうです。唯唯4年間の思い出は、勉強もせず奉仕奉仕の毎日だったとか。昭和20年に卒業されたのですが、卒業式もなく、卒業証書ももらえなかったそうです。

卒業後は、洋裁・和裁・華道の稽古に行かれたり、地域の青年団活動に参加したり、その中でも青年団弁論大会で優勝されたことは良き思い出だそうです。24年に結婚、1男1女のお子さんに恵まれ、ご主人は商社マンで海外出張が多い中、子育てに専念されました。

お子さんも大学にそれぞれ進学、自分の時間が持てるようになった頃、総務省の行政相談委員の依頼があり、戸惑いながらも昭和47年に委嘱を受けられました。それから37年、数々の苦情・要望・相談等に対し積極的に足を運ばれ、関係機関に連絡・交渉・解決・手続きと駆け回っておられました。さらに平成元年から民生児童委員も引き受けられ、多忙な上にも多忙な毎日を送られました。しかし、皆さんからの「ありがとう」という言葉を戴いた時は、嬉しい充実感に浸り、今日の元気を戴いたと感謝されています。併せて、この公の仕事を理解して蔭の協力者であった夫にも心から感謝されているそうです。

行政相談委員37年、民生児童委員15年の間に受賞された数々の賞のなかから、主だった分をご紹介します。

行政相談委員として:
昭和57年 近畿管区局長表彰
昭和61年 国務大臣総務省長官表彰
平成10年 叙勲(勲六等宝冠章)

民生児童委員として:
平成12年 県知事表彰
平成14年 厚生労働大臣感謝状

 現在はご主人も退職され、お2人がそれぞれ、地域の防犯活動や自治体のボランティア活動に関わっておられます。健康である限り、奉仕できる喜びを目標に頑張っていきたいとの意欲をもたれていました。お孫さんも4人、一緒に住まわれていませんが、成長していく姿を楽しみにされていました。

(文責:谷郷賢明)

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