taishi

石井 誠光さん(有高31回)

国の重要文化財であり平安時代後期(1200年前)に制作された「釈迦十六善心像」で名高い、500年の歴史がある聖徳寺の住職を訪問しました。

石井さんは本校では1組の造園科に所属し、1年から3年まで森澤先生が担任だったそうです。

大阪の辻調理師学校に進学し、調理の勉強をされました。その後、名古屋・神戸と各ホテルの調理場で時には料理長として働かれました。

3人兄弟の真ん中だったため、将来はお寺を継ぐことはないと思っておられたそうです。ところが親御さんの願いもあり、後を継ぐことになり、22歳の時から2年間、本山永平寺で厳しい修業をされました。

帰ってこられてからは、副住職として住職であるお父さんの手伝いをされることになりましたが、当時は住職も元気だったので、自分の時間も持つことができ、京都での仏像彫刻、三田中央病院の調理をしながら精進料理、そして書道にと打ち込まれました。

昨年、お父さんが逝去されて住職を継がれ、寺業務の忙しい中、これまでに取得された技術を生かした活動もされています。尼崎の拓秀仏所で6人の方々と木曾の檜を使った仏像彫刻を彫って全国各寺院に納めたり、聖徳寺で書道教室を開いて50人程の生徒達に毎日教えたり、また、「喜心・老心・大心」の三心の心で季節ごとに自然の恵(野菜)五味・五色・五法を考慮して手間暇をかけた精進料理も始められ、各雑誌・新聞でも紹介されました。予約が殺到、毎日3時起きとのことです。

9年前の36歳の時、生死に関わる脳の動脈瘤の手術をされましたが、奇跡的に命を取り留め、元気に回復されました。45歳になられた今、仏像彫刻・書道教室・精進料理と目の回るような忙しい中、仏に助けられた命に感謝し充実した生活を送って居られます。

(文責:谷郷賢明)
temple2temple