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「バレー一筋に」 大野幸男先生(教頭)

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肖像写真

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 カリスマと独裁は紙一重と言われますが、リーダーにはややもするとカリスマ性が求められます。 しかし、本年度から有馬高校に着任された大野教頭とお会いしての第一印象は、優しくて、とても包容力のあるお方とお見受けしました。

 先生はスポーツを通して教育振興を図る事においては、県下は勿論、全国でも名だたる実践者であり、 前任地の社高校では男子バレー部を25年間で19回も全国大会出場に導かれた実績の持ち主です。

 「根性を生徒に植え付ける秘訣」を伺ってみました。

 「それは目的意識を持ち、しっかり食べて体力をつけ、毎日心おきなく練習に臨めるようしっかり眠り、人と出会えば挨拶をし、けじめのある生活を送れ」

 これが先生の持論です。けじめのない食事と、夜更かし、挨拶もろくにしない現在人には耳の痛い話であります。

 その先生のスタートも順風満帆では無かったようです。 最初はバレー部員一人に先生一人。 それでも情熱を失うことなく一人の部員のために、社会人チームの練習に合流したり、女子チームとの練習を重ねました。 運悪く部員の足が故障し絶望の淵に立たされた時も、秘蔵っ子とのコミュニケーションは欠かさず、部存続に力を注がれました。 (『兵庫県立社高等学校男子バレーボール部16年の歩み』平成元年3月発行より)

 部員一人の逆境から、見事全国準優勝まで導かれた驚くべき信念、 『無から有を生み出し、自信を生徒に持たせる』これこそ教育の原点と感じました。

 全国大会で優勝候補の習志野高校をあわやのところまで追い詰めた試合を評した、全日本の松平康隆監督の言葉を借りると、

人間には生まれつき大きい人もいれば小さい人もいます。(中略)親からもらったものを最大限に発揮すること、それが"春の高校バレー"での、本当に意味での優勝なのです。/「お見事!」と言う外ありません。
 これに対して大野監督は「なんとしても勝ちたかった、高校バレーは高さだけではない事を見せつけたかった」

 テレビカメラの前で舞い上がり、平常心を失った生徒を、我に返らせた秘話。 平均身長175cmのチームが182cmのチームを破って兵庫に大野のコンビバレーありと恐れられまでの努力。 奥さんをして 「バレーの虫の主人は家庭にいる時間こそ少ないが、とても子煩悩で、私は主人を尊敬しています」 と言わしめる大野教頭は、"外柔内剛"の真の教育者とお見受けしました。

 「有馬高校には素晴らしい人材が集まっている。勝つことの楽しみを知れば更に磨きがかかるだろう……」 とおっしゃる先生も、現在は立場上現場に出られないのが残念そうです。

 生徒諸君に向かって「先生を引っ張り出せ」「先生についてゆけ」「先生に学べ」「そして何かを見つけ出せ」 こうおっしゃる大野先生に「先生こそ現場に」の言葉をお返ししたいと思います。

 何かが始まりそう そんな予感のする大野教頭とのインタビューでした。

 限られたスペースで多くを紹介仕切れないのが残念ですが、 後輩諸君、後は「先生に学び」そして人より一汗多く流してください。 きっと何かが見つかるはずです。

(文責:大西勲)


注:大野先生の足跡の一部を記録した、『兵庫県立社高等学校男子バレーボール部16年の歩み』社高校刊(平成元年3月発行)をお預かりしています。 希望者には貸し出します。 (清陵会事務局)

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写真  『兵庫県立社高等学校男子バレーボール部16年の歩み』

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