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「雑感」 生駒勝信先生(教頭)

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 4月に有馬高校へ赴任いたしました。一所懸命に伝統ある本校で職務に励む所存ですので、今後ともよろしくお願いします。

 「日本を今一度洗濯いたし申し候」 坂本竜馬の言葉です。土佐の田舎から出てきた侍にどうして“日本”という概念が育ったのでしょう。竜馬の母方の家には世界地図が残されているそうです。竜馬は子どもの時から眺めていたと考えられます。黒船が来航し、アメリカや西欧列国の情報をいち早く収集し、今後の日本のあり方を考えることができたのは、子どもの時に与えられた世界地図があったからではないかと考えられています。

 ひるがえって、現在の高校生像は、高校3年生を対象に実施された教育課程実施状況調査の結果によりますと、高校3年生の4割が授業以外にまったく勉強していないという結果が出ています。勉強しなくても分かるのではなく、よく分かるのは4%しかいません。大体分かるという回答を含めても40%弱です。しかし、勉強で分からないことをそのままにしておく生徒が36%もいるのに、勉強は大切だと思うは79%に達しています。また、高校生は勉強しないで何をしているかといえば何もしていない。勉強もせず、本も新聞も読まず、寝てばかりいるかと思えば、睡眠時間が6時間未満の生徒は34%もいるのです。

 かつて我々の勉強のモチベーションの多くは受験でした。いい大学や会社に入ると人生の幸せにつながるという信念みたいなものがありました。しかし、大学全入時代に入り、追いつけ追い越せといった近代化・工業化を目指した時代は終焉し、良い会社が必ずしも幸せにはつながらないことが分かってしまった。そんな時代です。子どもは周囲への関心や、何かに取組む情熱・意欲、人生に抱く夢や希望のようなものが薄れてきているように感じていたとしても仕方の無いことかもしれません。しかし、若者が意欲を失い、無力化する社会は危うい。

 子どもの個性、そして子どもが本来備えている意欲を引き出す大人の働きかけとしての教育が必要であり、これを生涯にわたり実施することが求められていると思います。

 本校の教育課程は、人と自然科・総合学科どれをとってもこれらを満たす条件が揃っているのではないでしょうか。校長主導のもと、今後とも清陵会の皆様の力添えを得、頑張る所存ですので、何卒ご支援賜りますようお願いいたします。

(教頭 生駒勝信)

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