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小西 博幸さん(有高40回)

回は、農林水産省に勤務されている小西博幸さん(有高40回卒)に、原稿をお寄せいただきました。
お忙しい中、快くお受けいただき、執筆していただき、有難うございます。
有馬高校では、園芸科に在籍し、1年生の時には牛や豚もわずかではありましたが、校内で飼育していました。
時には、豚の分娩時、当直などで校内に泊まることもあり、先生方と当直室で食事を囲んだ事もありました。
有馬高校に進学した時は、特に動機も無く、いわゆる「何となく」園芸科に入りましたが3年生の頃に、農業課程であるがゆえの大学推薦入学があると知り、北海道にある酪農大学に進学、平成4年に大学を卒業し、国家公務員として農林水産省で社会人の一歩を踏み出しました。
農林水産省では、2年に1度の転勤などをしながら現在、海外に進出している日本企業がどのぐらい食品を生産しているかなどの調査を担当しており、昨今、世間を騒がせた中国食品の農薬混入事件などに近い課題などを手がけています。

国の機関は、市役所や県庁と違い、直接、国民の目に触れる仕事は少なく、外からは何をしているか見えにくいですが、先ほど記した調査をしたり、県庁などに出向いて講演会をしたり、時には南米まで出向いて調査の手法などを現地の「農林水産省」に指導したりと、野球で言えば、ピッチャーが本職であれば、時にはキャッチャーになり、時には外野手になりと、頼まれればどんなポジションでもこなし、国でしかできない仕事をしています。

同窓生のみなさんは、国家公務員と言えば「エリート官僚」と思われるかもしれませんが、私の職場では、4割近くの職員が高校卒業後すぐに国家公務員として働いており、実は、東京大学卒ばかりの集まりのようなエリート集団でありません。
また、本庁で働く職員の中には、実家が農家や漁家と言った人も多く「農水省の人は農業や漁業を知らない」と言われがちですが、稲刈り時期や果樹の収穫期などは、週末に実家の手伝いをするために帰ったりする職員もおり、昔から農業に近い人たちの集まりで職場が成り立っている点は、実際にはそれほど、遠い存在ではありません。

最後に、在学中はよく「勉強ができないから」という言葉を聞きましたし、自分自身もそう思っていました。また、社会人になれば勉強は無くなると思っていました。
しかし、今の職場では、仕事に役立てるための知識の習得には寛容で、多くの職員が私費や公費により、大学院などで新たな知識の習得に励んでいます。
そうした中、勉強ができないと思っていた自分も20代後半に在職しながら、私費で大学院に通い、周りの職員に負けないように知識の習得に努めました。
必ず、勉強や学問をする必要性が生じるとき、勉強や学問をしたくなるときが来ると思います。
その時「勉強ができないから」ではなく、「勉強をしなかった」って事に気づき、学ぶ大切さを感じ、母校での勉強の中に、役立つものがたくさん有ることに気づかされると思います。
また、いつの日か、さらに大きく成長し母校を訪れたいものです。

今後とも清陵会、卒業生、在校生、先生方の益々のご清栄をご祈念申し上げます。

農林水産省大臣官房統計部 小西 博幸(昭和63年卒)

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