東浦 功さん(有高1回)
「旭日双光章」授章
平成19年度秋の叙勲で、旭日双光章を授章された東浦功さん(農林46回・有高1回)を訪問しました。
三田農林学校3年生の時、原田春男先生と出会い、もう1年、先生の下でと向学心に燃え学ばれ、有馬高校農業科の第1回卒業生となられました。
卒業後、当時日本に駐留していた米軍や高級ホテル向けの清浄野菜に着目され、畑10アールにレタス栽培を始められましたが、昭和20年代で国民にはあまり親しまれていない野菜のため、当初は消費が少なく、アメリカ兵が利用する高級レストラン等へ販売に行かれたそうです。
しかし、食生活が欧米化するにしたがって需要が高まり、セロリ、カリフラワー、ブロッコリー等の洋野菜を中心とした先駆的な農業経営に取り組まれました。また、仲間を募り、約20名で道場洋菜組合を設立され、中央市場を中心に大阪・神戸に販路の拡大に努めてこられました。
又、こんなお話もしていただきました。昭和32年、昭和天皇が奈良ホテルにご宿泊された折、直々ホテルからの要請でレタスを献上し、食された陛下からお褒めにあずかったそうです。
一方で地域からの信望も厚く、30代の若き頃から農会長や区長を務められ、42歳で農業委員に選出され、さらに、北農業委員会会長、そして神戸市農業委員会協議会会長を務められました。その間、神戸市道場区の圃場整備事業に着手され、道場土地改良区理事長にも就かれ、寝る間もないほど多忙な毎日だったそうです。
その功績は計り知れず、これまで全国土地改良区事業団体連合会会長表彰、全国農業会議所会長表彰、兵庫県功労者表彰、農林水産大臣表彰等、数々の表彰を受けられています。
現在も各種の公職を務められていますが、西洋野菜専業農家としても現役であり、綿密な年間プログラムの下、40アールの土地に立ち並ぶビニールハウスで、奥さんと二人三脚で頑張っておられるそうです。
(文責:谷郷賢明)
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