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谷口 亮一[雅号:亮悦 さん(農林38回)

谷口さんと同期の藤本さんの紹介で、県民会館のロビーで会う約束をした。10時の約束に遅れまいと30分早くロビーに着く。一息入れたところで懐かしい藤本さんの顔が見える。10時近くにもなり、谷口さんが作品を出展されている兵庫県日本画家連盟会員小品展の2階の会場に、すでに来られているのではないかと訪れたが、見当たらない。ロビーに戻って久しぶりの出会いに話し込んでいるところに、谷口さんの顔がのぞく。この場所を選ばれたのは、ご本人の作品を見せてもらえばご活躍の様子が分かると、藤本さんの計らいである。

意気込んで、「さあ取材」と思いきや、お2人は農林学校当時の恩師の話で盛り上がる。聞きなれない藤園先生、村田先生、池内先生など懐かしそう。藤本さんと谷口さんは、クラス会の席で、共に日本画に興味を持ち創作を楽しんでいるのを知って、それ以来お互いに交流を深めているとのことだ。

さて、谷口さんは、谷口亮悦のペンネームで作品を発表されている。師匠の名前の一字を貰われて「亮悦」の雅号を用いられている。日本画を始められたきっかけは、慢性胃潰瘍で体調を崩していた時、懇意にしていた地元の郵便局長夫妻に勧められたのだという。昭和48年、局長夫妻と共に、佐賀県出身の菖蒲大悦先生のもとに入門された。農作業の合間を縫って月2回の教えを乞う地道な努力は、昭和62年、サロン・ド・パリ大賞受賞をもたらした。

それ以降、毎年発表される作品が各種催しの大賞に入選、今まで眠っていた才能が一気に開花する。主なものを挙げるだけで、仏ミレー展大賞、第1回日本芸術大賞、第2回国際芸術大賞、ミレー日本支局展大賞、ミレー友好協会展大賞と、内外での出展入賞は数えればきりがない。各種公共施設への所蔵作品の寄贈もなされ、潤いのある環境作りにも貢献されている。

ホットニュースは、第12回ミレー友好協会展の内閣総理大臣賞入選作品「厳美峡緑風」が、ギャラリーシルバー企画2006年のカレンダーに採用され、世界に配布されることがすでに決まっている。現在、仏政府公認「ミレー友好協会」日本支局常務理事・無鑑査、群青社役員、兵庫県日本画家連盟会員の要職にあって忙しい毎日を過ごされている。創作の自由な時間が少なくなったと嘆かれていましたが、是非、清陵会館にも作品を寄贈いただきたいとお願いして帰路についた。

(文責:大前穣夫)

谷口亮一さん宅訪問(2007/03/07追記)

 昨年、第10回記念ミレー友好協会展日本支局大賞および仏ミレー展ヴァンセンヌ市長賞を受賞した「逍遙屋久島」を清陵会に寄贈頂き、その後も度々作品展のご案内や作品の複製を送って頂いたお礼をかねて、谷口様宅を2人で訪問しました。
道に迷いながらご自宅に到着、応接間に案内されました。そこには、以前コピーで送って頂いた「緑道(上高地)」の実物80号が壁に掲げてありました。実際目にしてすばらしさに驚愕しました。又、アトリエも拝見し、飾られた数々の受賞メダルに感銘を受けました。
帰りにご自身が設計し、丹精されている庭にも案内されましたが、年中咲き乱れる花をスケッチし、作品にすることもあるのだそうです。ランの栽培にも力を入れておられ、幾種類のランが開花して見事でした。

(文責:谷郷賢明)

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